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１ 転落 〜さらばサラリーマン〜私、ひまじん研究所の柴田泰と申します。 「ひまじん研究所」という名前をきいて、皆様は「おかしな名前だなぁ」、「ふざけた名前だなぁ」と思ったのではないでしょうか。「ひまじん」という言葉をネガティブに受け取る方も多くいらっしゃると思いますが、私はこの名前を気に入っています。名前の由来については後ほど触れさせていただきたいと思います。 私のような生き方をしていると、「一言で言うと職業は何？」とよく尋ねられます。テレビ出演するとき、本を出すとき、講演をするとき…日本ではいろんな場面で誰にでも一言で分かる職業が必要なようです。私は胸を張って「ひまじん」ですと言いたいのですが、社会には全く通じません。「ふざけるな」と言われてしまいます。だから今のところ「造形作家」とか「ペーパークラフト作家」ということにしています。でも私はもともとそのような仕事をしていた訳ではございません。紆余曲折を経て今の自分にたどり着きました。 ここでちょいと自分史について紹介させていただきます。私は大学を卒業して１６年間、情報システムの開発の仕事に携わっていました。システムの分析や企画、プロジェクトの管理から設計・プログラミングまであらゆる工程を経験しました。モノづくりの仕事は大好きで、それなりに充実した日々を過ごしていました。 ところが、２００５年、目の病により突然仕事を失ってしまいました。もともと片目が弱視、もう一方が強度の近視だったのですが、気が付かないうちに緑内障が進み視野の５０％を失っていました。失明する確率は７０％だとか…。一日のほとんどをパソコンの画面を睨みながら過ごす情報システムの開発の仕事はいつの間にか無理になっていたのです。目の疲労やかすみは勿論、肩こり、頭痛、吐き気といった二次的症状にも大変苦しみました。何よりも辛かったのはプロジェクトの進捗が私のせいで遅れ、たくさんの人に迷惑をかけてしまっていたことでした。 こうして２００５年、ドクターの勧めもありサラリーマンを辞めることになりました。家族を抱え、多額のマンションのローンを残して、突然収入がなくなりました。システムの仕事以外に何の取り柄もないおっさんに再就職先などあるはずもなく、完全に道は閉ざされてしまいました。この時ばかりは不幸のどん底だと思いました。 |
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